4.これからのバイオロギング
Q.今後バイオロギングを使ってどのようなことをしたいですか?
重厚なデータを使った研究。日本の動物で、日本ならではの研究。すでにいくつか進行しています:https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2022/10/post-343.html
(依田)。
最近バイオロギング(動物に記録計を直接装着)していないので、したいなと思っていたところ、共同研究のお話がありワクワクしています。みんなに「面白いなあ」と思ってもらえる研究をしたいです。(木村)
機器を装着したことが無い動物にどんどん装着してフィールド開拓したいです。(上坂)
様々な分野で技術開発が進んでいるので、そういった新技術を取り入れた新しいバイオロギングを作り上げたいです(坂本)。
個体の一生を追跡するような研究。生物にとって群れでいることの意味を明らかにする研究。(高橋)
Q.現在、バイオロギングを活用して動物の行動生態に限らない様々な研究(例えば風環境を知るなど)もなされていると思います。バイオロギング手法を用いた研究について、今後どのような発展をしていくと思われますか?またはどのような発展をさせていきたいと考えていますか?
誰でも使える手法となり、とりたてて目立たなくなると思います。また、ユーザが増え、様々な動物からバイオロギングデータが得られるようになり、動物の基本的な分布や生活などを記載する自然史学に多大な貢献をすると思います(依田)。
DNA実験のように、最初は特別でも、次第に誰でも使える手法となり広まってくる・広まってきていると思います。他の調査、解析手法との組み合わせや、アイディア、目の付け所が重要になるのではないでしょうか。(木村)
自然と人間の共生を困難にしている理由の一つは、自然現象を適切に把握する技術が未だに成熟していないためです。バイオロギングは自然界の動物の動態を把握する技術で、これが発展することで自然界のあらゆる動物の生態をリアルタイムで観測し、自然と人間が共生する方策を見出す手段になっていくと考えています(坂本)。
それはあなたが決めて下さい。(佐藤)
Q.今後、バイオロギングをより一層発展させるためにはどういった視点が必要だとお考えでしょうか。また、講演者の皆さまは研究をする上での着眼点をどのように養ってこられたのでしょうか。
バイオロギングはデータ先行になりがちなので、理論や理屈を意識するとバランスがとれると思います。長く続けていれば誰でも一家言持てるようになりますので、目の前の好きな研究をコツコツと、長く続ければ良いと思います(実はこれが難しいのですが)。(依田)
取り組むべき謎や研究課題の本質が何なのか考えるようにしています(坂本)。
装置取り付けによる動物への負担をできるだけ小さくするために、装置を小さくする努力と取り付け方法の工夫を続けること。(高橋)